Nautilusとは
マイアミ・ドルフィンズの奇跡

1969年、プロフットボールチームのマイアミ・ドルフィンズは、最悪のチーム状態にあえいでいました。フットボール界随一の俊足と謳われたマーキュリー・モーリス選手も、シーズン中に背中と膝を痛めてしまい、プレーが出来ない状態でした。そこで彼は、内緒でフロリダのアーサー・ジョーンズの実験室で、リハビリを受けたのです。
二ヶ月後、チームに戻った彼の体重は、17ポンドも増え、過去最高となっていました。その時点でコーチは、オーバーウェイトと考えましたが、チームのタイムトライアルで、何とモーリスは40ヤードと100ヤードダッシュで、自己最高記録をたたき出します。誰もが、その結果に目を疑いました。コーチに理由を尋ねられた彼は、内緒で新しいシステム「ノーチラス」でトレーニングしていた事実を白状します。早速、チーム全員がフロリダへ行きを決定し、ノーチラスでのトレーニングを開始したのです。
そこからのマイアミ・ドルフィンズの快進撃はご存知の通り。1972年には念願のスーパーボールに勝ち進み、続く1973年と1974年には連続優勝を果たします。スーパーボールの優勝インタビューで、コーチのドン・シューラはチームの驚異的な成功の秘訣を聞かれ、ただ一言、こう答えます。「ノーチラス」
その後、他のチームも続々とノーチラスを採用し、結局、プロフットボール全26チームの全てが、ノーチラスでトレーニングするようになったのです。
理想の回転抵抗を生み出すノーチラスカム

アーサー・ジョーンズの発明の中で、最も有名なものは「ノーチラスカム」です。これは、「回転抵抗」と「可変抵抗」という、ノーチラスマシンの要となる特徴を作り出す、言わばノーチラスマシンの心臓部です。形がオウムガイ(Nautilus)に似ていることから、そう呼ばれるようになり、社名の由来にもなりました。
さて、「回転抵抗」「可変抵抗」とは何でしょう。下図は、上腕二頭筋を鍛えるアームカールです。「非回転抵抗」の場合、1の位置では効率良く負荷がかかりますが、2、3と進むにつれて、上腕二頭筋にかかる負荷は急激に小さくなっていきます。一方、円形カムを備えた「回転抵抗」は、一定のトルクを生じるため、終始負荷が弱くなることはありません。しかし、人間が発揮する力(トルク)が機械のように一定であるはずがありません。いびつな形の楕円形カムでは、どうでしょう。実は、この形は、人間の力に合わせて負荷が変化するよう計算された形です。 このように、ノーチラスは人の力を忠実に再現した初めてのマシンだったのです。
